こんにちは、天神皮ふ科です。
季節の変わり目は、空気の乾燥や温度差によって肌のバリア機能が乱れ、アトピー性皮膚炎が悪化しやすい時期です。
「塗り薬や飲み薬ではなかなか良くならない…」
そんな方に向けて、当院では注射による新しいアトピー治療を行っています。
今回は、注目されている「デュピクセント」と「ミチーガ」についてご紹介します💉
アトピー性皮膚炎とは?
アトピー性皮膚炎は、強いかゆみを伴う湿疹が繰り返し出る慢性的な皮膚の炎症です。
原因は「皮膚のバリア機能の低下」と「免疫の過剰な反応」にあり、
乾燥・ストレス・アレルギーなどがきっかけで悪化します。
🩹 主な治療法
- 保湿ケア
- 外用薬(ステロイド・プロトピックなど)
- 内服薬(抗アレルギー薬など)
- 光治療
これらを続けても改善が難しい場合、**注射治療(生物学的製剤)**が選択肢になります。
注射治療①「デュピクセント」について
「デュピクセント(デュピルマブ)」は、アトピー性皮膚炎の原因の一つであるIL-4・IL-13という炎症性サイトカインの働きを抑える薬です。
炎症を根本からブロックすることで、かゆみや赤みを軽減し、皮膚の状態を改善します。
💡特徴
- 2週に1回の皮下注射(ご自宅での自己注射も可能)
- ステロイドを減らしながら長期的なコントロールが可能
- 睡眠の質や生活の快適さ(QOL)の改善も期待
注射治療②「ミチーガ」について
「ミチーガ(ネモリズマブ)」は、アトピー性皮膚炎のかゆみの伝達に関与するIL-31という物質を抑える薬です。
デュピクセントが「炎症全体」を抑えるのに対し、ミチーガはかゆみの神経反応を直接ブロックする点が特徴です。
🌙 特徴
- 月に1回の皮下注射
- かゆみを抑える作用が早く出やすい
- 掻き壊しの軽減や睡眠の改善に効果的
治療の選び方
デュピクセントとミチーガは、どちらもアトピー性皮膚炎に効果的ですが、症状のタイプや生活スタイルによって適した薬が異なります。
💬 例えば…
- 「炎症や赤みが強い」→ デュピクセント
- 「かゆみがつらく眠れない」→ ミチーガ
当院では、症状・経過・治療経験などを踏まえて、最適な薬剤を医師がご提案いたします。
副作用・注意点
- 結膜炎や目のかゆみ(デュピクセント)
- 注射部位の赤み・腫れ
- 一時的な倦怠感や頭痛
いずれも重い副作用は少なく、継続的に安全に使用できるケースが多いです。
定期的な診察で状態を確認しながら治療を進めます。
まとめ 🌿
アトピー性皮膚炎は「塗り薬で抑える時代」から「根本から整える時代」へと進化しています。
デュピクセントやミチーガは、これまで改善が難しかった方にとって新たな希望となる治療法です。
天神皮ふ科では、患者さまの生活に寄り添いながら、最適な治療をご提案しています。
お悩みの方はお気軽にご相談ください。